2020/07/19 18:39
こんにちは*
北海道旭川市から、地元の職人さんの手がけた木工作品を中心にお届けする
クラフト舘の山口です
木製の食器やグラスなど、テーブルウェアで有名な高橋工芸さん。
特に、Kamiシリーズの薄く仕上げる技術は目を引くものが
薄く仕上げるために1年以上研究を重ね
なんと、Kamiシリーズは開発に2年をかけて生まれたシリーズなのだそう
そんな高橋工芸さんに、加工をする中で一番大変な事をお伺いしてみたところ、
なんと意外な答えが…!
皆さんは、何だと思いますか?
ちなみに私はこの薄く削るところが一番大変なのでは、と予想しておりましたが…
実は…
“乾燥”
だったのです!
なんでも、木材やさんなどで一般的に販売されているのは家具用のものが多く
高橋工芸さんで使用したい材料とは違うため
高橋工芸さんでは、丸太の状態から
1年以上かけてじっくりと乾燥させて、そこから漸く作製が開始できるのだそうです。
工房の外にはズラリと乾燥中の木が!
ただ、これで乾燥が全て終わった訳ではありません!
大体の形にカットし、中をくりぬいた後、まずはゆっくりと自然乾燥させます。
工房の天井部分には、乾燥中の作品が
乾燥のため、夏の今時期でも朝は毎日ストーブを炊いているのだそう…!
ここからさらに、低温乾燥機で2~3日かけて乾燥させて
最後に電子レンジで軽くチンしてから
(※故障や破損、火災の原因となりますのでご家庭では電子レンジには入れないようお願い致します)
少し寝かせて、空気中にある自然の水分を吸わせて
1つ1つの状態をみながら、木ごとに違う水分量のばらつきを整え、
最適な水分量に整えてから
ようやく外側を削って磨き、塗装を施して…と仕上げられていきます
↓加工の様子です♪
なぜ木材を乾燥させるのかというと…
自然の中にある、丸太になったばかりの木は
とってもうるおいたっぷりで、水分を豊富に含んでいます。
量は、木の種類やその時々にもよって異なりますが
杉や桧の場合は、なんと木材自体の約1.5倍ほども含んでいるそう!
この乾燥前の木を「生材」と呼び、
このまま使用してしまうと、空気中の湿度などに合わせて自然乾燥していく中で
変形や収縮がおこってしまい、ゆがんだお皿やコップになってしまったり
場合によっては割れてしまったり、という事があるため
事前に乾燥させて、用途に適した状態にしてから製作する必要があり、
乾燥中の材料の割れなどを防ぐために、
ゆっくりと少しずつ、時間をかけて乾燥しなければならず
乾燥は製作の上でとっても大事な工程なのです。
乾燥までの長い年月、そこからさらに、
加工や塗装、そして再度仕上げの研磨、と
数々の長い長い道のりを経て仕上げられた高橋工芸さんの作品、
ぜひお手に取ってやさしいぬくもりと数々のこだわりを
ご堪能頂けましたら幸いです。